私はこう思う
1.倒産
これは経営者がもっとも聞きたくない言葉かもしれません。
倒産すると一夜にして全人格を否定されると思われる方も多いでしょう。
倒産に至るまでの苦労、倒産してからの苦労、いずれも考えたくもありません。
しかし、不幸にして倒産してしまうこともあります。
これは何も恥ずかしいことではありません。
ただ、全力を出し切って倒産したのであれば納得もできるのでしょうが、
あのときこうしておけばよかった、と思う倒産は浮かばれません。
2.会社のプラットフォーム
私の仕事は、会社が思いっきり力を発揮できるようなプラットフォームをつくることです。
プラットフォームとは、会社が売上・利益をあげるための土台です。
会社には様々なプラットフォームがありますが、
私の行うプラットフォーム構築は、経理・税務・会計・これらに付随すること、です。
これらは経営者がもっとも苦手だと考えているところだと思います。
いかにこれらを整えるかによって、会社の力がどれだけ発揮できるか大きく変わります。
私は、最大限これらを整えることを使命だと考えています。
現在、会社の売上・利益・資金等、会社の状況はどうなっているのか、
税金は、過大又は過少になっていないだろうか、
節税はどのようにしたらよいのだろうか、等
これらのことを経営者はタイムリーに把握しておかないと、
「全力を出し切った」とはいえないと思います。
3.社会のプラットフォーム
また、私の業務は、大きな視点でいえば、プラットフォーム構築により、現在そして将来にむけて、
日本の土台をつくっているとも言えます。
そのため、税理士法により、「適正納税」「脱税相談の禁止」「守秘義務」等が課されています。
4.税理士法第1条
「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」
と規定されています。
これは税理士法の基幹条文であるにもかかわらず、
多くの税理士は知らないか、深く考えたことがありません。
税理士は、この条文により、社会的存在意義を与えられているわけですから、
もっと深い理解をしなければならないと考えています。
5.「納税義務の適正な実現を図る」とは
租税法に定めるとおり、”過大でも過小でもなく納税する”との趣旨であり、
これにより、納税義務者の租税債務の履行は何らの不利益を被らないことになる。
(税理士法逐条解説)
個人的にはこの解釈だけでは不満です。
「図る」の意味がどこかへ消えてしまっているからです。
「納税義務の適正な実現を使命とする」ではないのです。
「図る」とは、国語辞典によれば、
計画する。ある動作が実現するよう、計画をたてたり、努力したりする。くわだてる。企図する。《図》
「幼帝の擁立を―る」「自殺を―る」「販路の拡大を―る」「便宜を―ってもらう」
という意味のようです。
これによれば、計画したり、努力したり、企てたり、積極的な行動が伴うことをいうと解釈できます。
つまり、税理士は、納税義務の適正な実現を”積極的に”行わなければならないことになります。
私は、「月次巡回監査」を行うことによってのみこれを遂行できると考えています。
「月次巡回監査」を行わない税理士(または税理士事務所職員)に、
税理士法第1条をどのように考えているか聞いてみたいものです。
6.経営について
経営は、経営者にしかわかりません。
従業員と経営者には、決して埋まることのない溝があります。
私の事務所では、私自身(経営者・税理士)が、お客様を訪問することにより、
経営者の視点で、経営に関する情報を共有し、ともに考えていきたいと思っています。
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